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1スレ目 388-391その2 特殊部隊の宴会は最後まで付き合うと決まって午前様になるので外泊届を出しておくのが前提であることを、堂上はこの時ばかりは有り難いと思った。 武蔵境から何駅か離れた駅前にあるシティホテルは場所柄満室になるということは滅多にない。 今夜も飛び込みの客のすんなりと受け入れてくれた。 風呂やベットが大きなラブホテルも何かと便利なのだが、初心な郁にはその手のホテルを見るだけでカチンコチンになってしまうのであまり利用しない。 部屋に入るなり背後から抱き締めると、郁は素っ頓狂な声を上げた。 「きょ、教官っ!あ、あの、お風呂──」 「後でいい」 先ほどから待たされた身としては、我慢の限界なのだ。 餌を前に待てをされた犬の気持ちというのはこういうものなのかと思ったぐらいなのだから。 戸惑う郁を無視して、くるりと身体を捩じらせ自分に向かせると、思う存分キスをした。 また座り込んでしまいそうになる郁の腿を両腕で持ち上げ、そのままベットに寝転がせる。 逃げ場はもうないのだと知らしめるようにシャツの中に手を伸ばし、なめらかな肌を弄る。 ささやかな胸を隠すブラジャーも強引に持ち上げて、直に色づく頂を手の平で撫でてやると郁は堪らず身体を捩じらせた。 隠すようにうつ伏せになろうとする郁の抵抗がいじらしく、肌に触れていた手を放してやると郁は助かったとばかりに態勢を変え、ほっと息をついた。 とはいえ堂上からすればそれも計算の一つでしかないのだが。 「えっ、あの、ちょっと教官、ダ、ダメですってば──」 「こっちの方がお前はいいんだろ?」 「そ、そんなつもりじゃ、あたし──ひゃっ、あ──っ、」 うつ伏せになった郁の腰に手をまわし、少々強引に持ち上げた。 膝を付く形になった郁のズボンとショーツをずりおろし、露わになった秘部に指を這わす。 とりあえ指一本は入ったものの、まだあまりに濡れていないせいか滑りがよくない。 浅い部分をゆっくりと撫で、空いていたもう片方の手で包皮に隠れた花芽を探り出すと指の腹で優しく扱いてやった。 すると郁の身体は面白いぐらい反応した。 脚はがくがくと震え、あられもない声を押し殺すようにシーツに顔を埋め堪えようとする。 だがそのいじましさこそ堂上を欲情を煽るのだ。 途端に溢れ出した愛液はこちらの動きを助け、艶かしく脚を伝い落ちていく。 先ほどより深く指を差し込み、郁の感じる場所を探るように動かしてやると、郁の身体は、びくりびくりと大きく跳ねた。 締め付ける感触で郁が軽く達したことを知り仰向けに寝かせると、おもむろに腕を伸ばしてきた。 口には決して出さないが、その表情が全てを語っている。 「欲しいのか?」 それでも意地悪く聞くのは、男の我儘だと思って諦めてくれ。 惚れた女にそんな顔をされて冷静でいられる男がいたらお目にかかりたいもんだ。 こんな時だけ素直な郁はこくりと頷くのだから、堪らない。 郁の脚に引っ掛かっていたズボンとショーツをむしり取ると、その見惚れるぐらい綺麗な脚を大きく広げさせた。 見られていることに気づいた郁は 「やっ」 と小さく抗議の声を上げ、顔を両手で隠したが、てらてらと濡れぼそつそこは今かと堂上を待ち望んでいるようだった。 それに誘われるように張りつめ準備の整っている自身に避妊具を付け、ゆっくりと押し当てる。 「んっ、あっ、堂上教官──」 蕩けてしまうかと思うぐらいの温かな感触と、その圧迫感に、背筋がぶるりと震えた。 ずるずると吸い込まれるままに腰を押し進め、先端にコツンと当たると、郁の熱く濡れた肉がぎゅっと堂上のものを締め付ける。 その繋がった感覚があらぶっていた堂上を解すように満たしていく。 満たされているはずなのに、貪欲な自分は更にそれ以上のものを望む。 もっと郁を感じたい、鳴かせたい、乱れさせたい。 シャツをずり上げ、ぷくりと立ち上がった胸の蕾をかりりと噛むと、郁は小さな悲鳴を上げ、堂上の頭をかきむしる様に抱きしめた。 ならばとねっとりと舌で舐め上げると、今度はすすり鳴くような声を上げ、縋りつく。 郁の胸は小さいくせに感度は驚くほど良かった。 僅かながら興奮でせり上がった胸は既に堂上の唾液でベタベタだ。 零れ落ちそうになるそれすらも舐めとるように動かすと郁は悶えるように身体をくねらせた。 それと同時に郁の秘肉も徐々に変化していった。 侵入者を拒絶するかのような締め付けではなく、誘うようにざわめいている。 腰は動かさず、奥をやんわりと押してやると、郁は甘ったるい声を上げ、自ら腰を押し付けてきた。 感情ではまだ処理しきれなくても、郁の身体は素直に堂上の動きは反応してくれている。 これならば大丈夫かと身体を起こし、大きく緩急をつけて抽送させると、郁は切なげにこちらの名を呼び続けた。 その姿は紛れもなく女で、あの郁をそうさせているのが他でもない自分であることが、どうしようもないぐらい乾いた自分の心を満たしてくれていることに堂上は気づいた。 そんなことを郁が知ったら軽蔑するだろうか──ふと沸き起こった疑念も、飲み込まれるような快楽の前では意味を持たなかった。 気が狂いそうになるほどの快楽に促されるように堂上は全てを吐き出すまで腰を振るい続けた。 高ぶった衝動は一度でも気づけば高まる一方で、郁が先に達した後も、収まる気配が全くない。 郁の身体は力が抜けたようにだらりとしているのに、達した秘肉は根元までしっかりと食い締めるように蠢くのだから堪らない。 ダメだと首を横に振る郁にまたそそられて、限界まで溜まった衝動を吐き出すように何度も身体を打ち付けた。 断続的に起こる放出感をじっくりと味わう最中も、郁の秘肉は発せられる言葉とは裏腹に咀嚼するかのように締め付け、終わった頃には腰の奥が溶けてしまうかと思ったほどだった。 翌朝、始発で基地に戻る恋人は昨晩とは打って変わって機嫌が良かったのだが、別れ際、 「柴崎のことなんだがな、宴会に連れてきてもいいが、その代わり、その後は必ず俺に付き合うことが条件だ。いいな?」 えっ、教官それってどういう──っていうか、柴崎が付いてきたいって言ったら、あたし断れるはずがないんですけど──。 さっさと男子棟に消えていった堂上の背中を見送った郁は、一人残された後、どっちに転んでも割りを食うのは自分だと気づき、思わず頭を抱えてしゃがみこんだ。
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1スレ目 127-129 なんだ、この山は。 そのあまりに高い頂に、堂上は思い切り顔を顰めた。 その日、堂上は残業だった。 暗がりの中、寮の玄関が見えると、そこにはよく知る人物が誰かと親しげに立ち話をしていた。 よく見れば玄関の中では二人のやりとりを興味津々といった様子で見ている女性達の姿も見えた。 思わず足を止めている自分に、相手の方が先に気づいた。 「堂上教官!」 よく通る声は、頭の痛い、だが気になって仕方がない部下の笠原郁のものだった。 ここて突っ立ている訳にもいかず、ごく自然に足を進める。 そしてごく自然に彼女の前で立ち止まり、 「外で話していないで、中に入ってもらったらどうだ」 親しげに話しているところを見る限り彼女の関係であることは間違いない。 ならば、こんな目立つところたで立ち話というのもなんだろう。 あくまでも、一般論としてだ。 やはりというか、予想していた通り、郁と話してのは大柄の男だった。 郁の170cmを遙かに越える大男を前にすると、堂上は見上げなくてはならない。 すると、相手の男は挑発的とも思えるように、しげしげとこちらを見下ろしてきた。 どうして自分がこんなにも居心地が悪く感じなければならないのだと、内心憤慨していると、 男は堂上が来たことが丁度いいとばかりに去っていってしまった。 ちらりと横目で郁の様子を伺うと、心底嬉しそうだった。 その表情を見てしまい、堂上は自分の運の無さを呪った。 もっと残業をしてくるんだった、そうすれば、こんな場面に出会わなくともすんだというのに──。 その理由はあえて考えたくもなくて、腹に溜まったもやもやとしたものは寝酒で誤魔化した。 とはいえ、そんなもので解決できれば、最初から気にするはずもないのだ。 自分の知らない男と親しげに、しかも全開に心を開いているような笑顔にわだかまりを覚えるなんて、間違っている。 そう頭では理解しているのに。 それを堂上は一番手っ取り早く、一番最低な方法で解決してしまった。 「今度の休みは同じでいいか。」 そう郁の耳元で尋ねると、相手は顔を真っ赤にして身体を硬直させてしまった。 こうなることは予想済みだったので、今、事務室には堂上と郁の二人だけだ。 そしてその問い掛けは初めてではない。 それは二人だけの暗号のようなもので、暗黙の了解でもあった。 後ろ暗い感情も、こうなってしまっては沸き起こる欲情の糧にしかならない。 自慢のすらりとした脚も、流れるような身体のラインも、申し訳なさそうに揺れる乳房も、その全てが堂上を興奮させる。 どうしてこんな女が良いんだと自問しても、上手く答えが見つからない。 良いと思ってしまうのだから仕方ない、 だから、あんな些細なことで苛立ちを覚えるのだ。 「きょ、教官っ、もう、私、だめっ……!」 嫌々と首を横に振る郁を背後から抱きしめて、耳元で意地悪く囁く。 「一緒がいいんだろう?もう少し我慢しろ」 「やっ、あっ、ああんっ!」 更に深く郁の芯を焚きつけるように押し上げ、堂上はその中で果てた。 とはいえ、残るものといえば罪悪感だから居た堪れない。 またやってしまったと──頭を抱えたくなる堂上に、郁は不思議そうに首を傾げた。 そして思い出したように、 「そうだ。中兄が、堂上教官によろしくって言ってました」 「チュウニイ?何だ、その怪しげな暗号は。」 そう尋ねると、郁は少し前にあったあの寮での玄関のやり取りを話し始めた。 「多分、お父さんから聞いていたんだと思います。教官がどんな人か興味があったみたいで会えて良かったって」 訳の分からないまま、いきなり「お父さん」などというワードも出てきてしまい、堂上はますます理解できない。 すると郁はバックの中から一枚の写真を見せた。 「家族です。これが両親で、こっちが兄貴達。三人いるから、大中小」 そう説明されて、ようやく堂上は理解した。 真ん中の兄だから、中兄なのか。 納得がいくと今度はそんな相手に苛立ちを覚えてしまった自分に自己嫌悪を覚えた。 よりにもよって、兄だとは。 郁のいる手前、ここで落ち込む訳にもいかなくて(気付かれればここぞとばかりに攻撃してくるに違いない) とりあえずその件は棚上げにして、改めて写真を見た。 ……しかし、何だ。 見事に長身の兄達に、女性としては長身の部類に入るであろう郁が並ぶ姿は、もはや圧巻といっても過言ではない。 「……日本四大山脈か、これは」 うっかり自分がその輪に入った光景を想像し、堂上は慌ててその不毛な想像をかき消した。
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1スレ目 584-590 その2 『夢の中で、君は』 絶品と言われる食事もあまり喉を通らないまま終了し、部屋へと向う算段になった。 ここまで来てしまってはもう逃げることは許されない。今晩は寝られないけれど仕方ない、郁はそう腹を括った。 ドアを閉めると同時に後ろから抱きしめられた。首筋に堂上の唇が這うのが分かる。 耳朶を軽く噛まれ、郁は思わず小さく声をあげた。 くるんと身体を回転させられて堂上のほうを向かせられる。と、腰と首を引き寄せられて唇を合わせた。 そういえばキスも久しぶりだな、などと思っていたとき、舌が入り込んできた。 優しいけど激しい舌は、郁が応答することを望んでいるように絡めてくる。郁も慣れないながらも反応する。 「……んっ……ふっ」 声を堪えるようとすればするほど唇端から喘ぎに似た吐息が漏れ、絡めあう舌と混ざり合う唾液が淫靡な音を奏でてゆく。 反則とも思える舌使いをされた上に、堂上の右手は郁の胸を揉みしだき始めている。 郁の膝は限界を迎えてガクガクと震え始めた。 それに気付いた堂上は郁を膝から掬って抱き上げると、ベッドまで運んで下ろした。 顔の横に両手を付かれ、真剣な眼差しで見下ろされる。その様子に居た堪れなくなった郁が先に口を開いた。 「ふ、服が皺に」 「すぐ脱ぐから気にするな」 「シャ、シャワーは」 「必要ない」 言い放つと堂上が再び口付けてくる。さっきと同様に荒々しく唇を塞がれ、息をすることすら憚られるような舌で蹂躙される。 「……ぅんっ……くふっ……」 自分の吐息がまるで喘ぎ声のように響き渡る。いや、実際堂上の舌に感じ始めているのは紛れもない事実だ。 キスに飽きた唇が、今度は首にまわる。郁が感じる筋沿いを攻め立てるように、唇と舌が蠢く。 時折、耳を噛まれたり熱い息を吹き掛けられ、郁は気持ちよさから全身を震わせてしまう。 堂上の手は器用に郁の衣服を剥がして行き、あっという間に郁を下着姿に変えた。 「きょ、教官っ……灯り、灯り消してください……」 今はまだ明るい場所で全てを見られたことはなかった。何度も身体を重ねてはいるが、やはりまだ恥ずかしさが先立ってしまう。 郁にとっては、「その行為は暗い場所で」がいまだデフォルトだ。 しかし堂上はそれを聞こえなかったものとしたのか、ベッドサイドにある調光スイッチには目もくれない。 「……教官っ……暗くしてくださ………んんっ」 再度嘆願した声は、途中で封じられた。何度も口づけて郁の喉を殺しにかかる堂上の唇。 ひとしきり郁を味わったあと、いつものように真っ直ぐな視線で堂上が口を開く。 「……お前の頼みは聴かない」 「……でも、まだ恥ずかし」 「全部見せろ」 そのセリフと同時に、郁は上半身から全てを剥がされた。 ささやかな胸を捏ねるように揉まれ、その頂は口に含まれては舌で転がされていく。 明るい部屋で、全てを曝け出されていく恥ずかしさと言ったらなかった。 それでなくても女性としての魅力には程遠い体型の自分なのだ。それが分かっているからこそ、灯りを消してくれるように言ったのに。 なんの羞恥プレイですか、これ。 そんな冗談も脳裏を掠めたが、口に出せるような余裕は郁にはなかった。 執拗に胸を愛撫する堂上の舌と歯と指は、郁の身体の芯までを悦ばせる術を知っていた。乳首を軽く噛んでは甘く吸い上げる。その度に、郁は小さな嬌声をあげるのだ。 「やっ……んっ…きょ…かんっ…」 胸を揉む間にも腰をなぞることを忘れない堂上の手が、郁のショーツに伸びる。 郁のそこが既に濡れそぼっていることは十分承知していた。さっきから、郁が腰をもぞもぞと所在無げに揺り動かしていたから。実際指を這わせると、布の上からでも判るくらいだ。 「――あっ、だめ、きょうか――ー」 郁が咄嗟に止めようとする前に、堂上の指が下着の中へ入り込んだ。くちゅ、といやらしい音を立てて、そこは堂上を招き入れる。 「んんっ」 熱くて柔らかくて艶めかしいその中を指で玩ぶたびに、郁は悦びの声をあげる。 「ここだろ?」 郁の一番いい場所は、指が覚えている。そこを探し当てて指の腹で擦り上げると、 「―――ああっっ」 さっきより一際大きな声で啼く。その声が聞きたかった、と堂上は内心で呟いた。3ヶ月もお預け食らわせられたのだ、このくらいの意地悪は許されるはずだ。 もう片方の手でするりと郁のショーツを取り払うと、堂上は郁の秘部へと顔を寄せた。 そうされた側の郁はもうパニックだった。堂上がこれからしようとしている行為は、郁の限界を超える羞恥の絶頂だ。 必死で抵抗してみるものの、中に収まっている指の動きがそれを許してくれなかった。堂上がそこを擦り上げるたびに、郁の理性が削がれていくのだ。 「―――やあっ……み、見ないでくださ」 郁の声を無視して、愛液で淫靡に光るそこに舌を這わすと、苦くて甘い味が口中に広がる。 堂上は溢れ出る愛液を舌で掬うと、上にある小さな突起へと伸ばした。既に充血して膨らんだその突起を軽く吸うと、郁の身 体がビクンと跳ねる。 「――いや、――んんっ、ダメで……ああああんっ」 突起を吸うたびに、郁の中はキュッと指を締め付ける。適度な強さでその行為を繰り返してやると、郁の膝が戦慄くように震えだした。この予兆は。 堂上はさっきよりもやや強めに指で擦り、突起を吸い出した。 「あああっ―――教官っ、……だめぇっ―――」 ひときわ大きな声で啼くと、郁が一気に脱力したのが分かった。中はその逆に、指をキュンキュンと締めて来る。 蠢く中の余韻に浸っている間もなく指を抜き、堂上は自分の衣服を素早く脱ぎ捨てて、避妊具を自分に被せた。 ぐったりと呼吸を整えている郁に覆いかぶさると、まだ濡れている郁にあてがう。そうされた郁の方は驚いて抵抗を試みた。が、 「――ちょっ、待っ……教官、あたし、まだ」 言い終わらないうちに、勢い良く郁の中へと挿入していく。 「あああんっ」 絶頂の余韻はまだ残っていた。いつもよりキツめの中は、堂上をこれでもかと締め付けてくる。 3ヶ月ぶりの自分としては、どのくらい持たせられるか甚だ自信はなかったが、一度イカせている郁を再度登り詰めさせるのはそんなに困難じゃないだろうと予想は出来た。 いつも通りゆっくりとした動作から始める。さっきまでの激しい愛撫とは対極的な動きが、郁を焦れさせた。 自分から強請るように腰を押し付けてくる様子に、意地悪心がもたげだす。 「どうした?……腰が動いてるぞ」 言葉で攻めてみたことは無かったが、郁が締めて来たところを見るとこれも有効かもしれない。 「う、動いてなんてっ」 反論してみるものの、意思を失った腰が堂上の動きを求めていることは明らかだった。 「激しくしてほしいのか?」 「そ、そんなこと、無いですっ」 郁の反論は既に肯定だ。堂上は腰に力を溜めて郁の奥を一突きした。その途端、郁の身体が震えたのが伝わる。やはり、もう一度イキたがっていることは明白だ。 「もう一度、イクか?」 「やぁっ……堂上教官っ……意地悪っ……」 「意地悪はどっちだ?さんざん焦らされたのは、……俺のほうだと思ってたが?」 「―――そ、それは―――ああっ」 言い訳をしようとした矢先、再度奥を一思いに突かれ、郁の理性は吹っ飛んだ。 「教官っ―――イカせてくださっ―――もう、欲し……」 『欲しい』とは最後まで言えなかった。言葉の途中で、堂上の突き上げが激しくなったからだ。 熱い杭が打ち込まれるような感覚が、郁の身体を支配する。その感覚は堂上の動きが激しさを増す程に郁を虜にしていく。 結合した部分からは、粘着質な音と肌がぶつかる音が響く。いやらしく響く音は、耳を塞ぎたくなるほど恥ずかしいもののはずなのに、郁にはどうすることもできないのだ。その音が、郁が堂上を誰よりも求めている証拠なのだから。 貫かれる度に最奥にもたらされる鈍い痛みにも似た快感が、徐々に頂きへと導き出す。 「あっ――だめ、……きょう、かんっ……あ、たしっ―――」 郁の言葉を聞くやいなや、堂上の動きは更に早まった。そして一気に郁は登り詰める。 「だめっ……ああっ!………――――!!」 先ほどと同様に脱力すると、心地よい疲れが郁を襲ってきた。 だめだ、このままだと眠ってしまう。 この期に及んで寝顔を見られる恥辱と闘おうとした矢先、堂上が一度抜いてから郁の体制をごろんとひっくり返した。 腰を持ち上げられて、立ち膝にさせられる。 ―――え? 声にならない疑問は、次の瞬間に答えになる。 あろうことか堂上は、絶頂を迎えたばかりの郁を後ろから再度貫いたのだ。 「やぁっ!教官っ!あたしっ――――」 「俺はまだだぞ」 「そ、んなっ…だって、無理っ………ああああんんっ!」 それでなくてももう既に2回も迎えている。これ以上は無理だというのに、堂上の動きは容赦がなかった。 「俺はイカせて貰えないのか?」 「だってっ――ああっ!―――これ以上はっ…あたしっ…うううんんっっ!」 ずぶずぶと出し入れされ、さっき打ち抜かれている場所とは違う場所を攻められる。またも襲ってくる、あの波。 ―――ああ、あたしまたイッちゃう――― 絶頂の余韻の最中に、また絶頂を迎えたのは初めてのことだった。 そして、アルコールの力を借りずに意識を失ったことも、初めてのこととなった。 「めちゃくちゃ可愛いんですってね、教官の寝顔」 業務中に話しかけられたと思ったら、柴崎が何かを含んだような表情で近づいてくる。 なんだそりゃ。誰が言ったんだ。 言おうとしたことが顔に出たのか、柴崎は訊く前に悪びれもせずに答える。 「笠原がそう言ってました」 コイツラが普段どんな話をしているのか、想像が出来ない。きっと、俺のような男はからかいの種になっているんだろうと思うと、面白くないのも当たり前だった。 「知るか。自分の寝顔なんて見たことないからな」 不機嫌そうに答えると、柴崎が待ってましたと言わんばかりに堂上の答えを受け取った。 「そう、それなんですよ」 「何がだ」 「今回の笠原の悩みです」 「はぁ?」 自分の寝顔が可愛くないと思い込んでいる、だから寝顔を見られるような環境を作りたくない、故に教官ともお泊りなどできない。これが郁の悩みの種明かしだったことを、柴崎から教えられた。 「大変だったんですよー。すっごくいい夢見てたのに叩き起こされて」 その所為で迷惑を蒙ったことを声高に言う柴崎をよそに、堂上は呆れるのを通り越して落胆している。 「アイツは……どこまでアホウなんだ」 「だから、言ってやってくださいね、あの子の寝顔がすっごく可愛いってこと」 「んなこと、とっくに知っている」 「でしょうねー。でも、毎日拝めるのは今のところ私だけですからね」 「なんだそりゃ」 「同室の特権」 堂上をからかうことに成功したことに満足が行ったのか、見事にウインクを決めたかと思うと柴崎は足早に駆けて行く。その途中でこちらを振り返り、 「今度ご馳走してくださいねー」 と恩を着せることも忘れなかった。 失神してしまった郁に布団をかけてやりながら、堂上は今回の騒動を思い返していた。 寝顔のことを気にするなんてコイツらしいといえばそれまでなのだが、その所為で我慢させられていたのかと思うと、意地悪してやりたくなるのは許容範囲だろう。 流石に失神させてしまったのは悪かったと思うが、帰りたくないと思わせるくらいに疲れさせてやろうと思ったことは否定しない。 郁の寝顔は、無防備でその分とても無邪気だった。 時々眠りながら微笑んでいるときがある。そんな時、自分が夢に出ていればいい、と思う。 「そうだ」 ふと、ひとりごちてズボンのポケットから機種変更したばかりの携帯電話を取り出した。 カメラモードに切り替えて、眠る郁を画面に収めた。 柴崎め。これで俺も毎日拝めるぞ。 初めて郁を被写体にして撮った写真同様に、郁の寝顔は深いフォルダに格納されることとなった。 もちろん、幸せそうに眠っている郁は、まさか堂上が自分の寝顔を撮ったなどとは、夢にも思ってはいない。 了
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1スレ目 584-590 その1 『夢の中で、君は』(別冊I半ば辺りの設定) いつもは熟睡をかまして朝まで目覚めることのない郁だったが、その日はなぜかふと夜中に目が覚めてしまった。 寝ぼけていた視界がはっきりするにつれ、見慣れない天井が郁の目に映し出される。 ここはドコだ?と考える間もなく、答えは導き出される。 ――ああ、そうか。寮じゃないんだ。 その日は、堂上と付き合うようになってから迎えた、何度目かの夜だった。身体を重ねる際の緊張は薄くなってはいるものの、最近はコトの後に一気に眠気が襲ってくる。 その状態の意味を理解できる身体になったのも、つい最近のことだ。 ああ、あたし、どんどん開発されてるなぁ、と乙女の発想としてはいささか似合わない感想が頭を過ぎり、次の瞬間に恥ずかしさから頭をブンブンと振る。 その弾みで、隣で眠る堂上の顔が郁の目に飛び込んできた。 う、うわ――――! きょ、教官っ!その寝顔は犯罪です! 郁にしてみれば、声に出さなかっただけでも表彰モノだ。 堂上の寝顔は、この数年間郁が見てきた堂上の顔の中でも、メガトン級の破壊力を持っていた。 たまに見せる笑顔や優しい表情も捨て難いが、この寝顔に勝る顔はないのではなかろうかと思えるくらい、郁には魅力的に映った。 な、なんてか、か、か、可愛い。こんな寝顔を見られて、ああ、あたし世界一の幸せモンかもしれない……。 30を目前にした男を評するのに「可愛い」はあまり褒められた文言ではないかもしれないが、大袈裟ではなく、本当に心からそう思った。しかし、その刹那に思い当たる。 ―――あ、あ、あ、あたしは? 当たり前のことだが、自分の寝顔を見たことのある人間など居ない。だから、自分がどんな顔で寝ているかなんて知らない。 知らないからこそ不安になる。 あ、あたし、マヌケな顔で寝てないよね?いびきとか、かいてないよね?あまつさえ、ヨダレなんか垂らして歯軋りなんてしてないよねぇぇぇー? 考えれば考えるほど、それら全部を寝ているうちにしているような気がして、郁は大声で叫びたい衝動に駆られた。 もし、堂上が今日の郁のように夜中にふと目が覚めて、横で寝ている郁の寝顔を見たりしたら。そして、それが前述のような寝姿だったりしたら……。 ひゃ、百年の恋も醒めるっちゅーのっ! 自分の知らない顔を愛しい人に見せるワケにはいかない。 郁はその夜、朝を迎えるまで眠ることが出来なかった。 「そんなクマ作るまで、寝かせてもらえなかったわけ?」 翌日帰寮した時に言われた同居人の冷やかしは、半分当たっていて半分外れている。 寝かせてもらえなかったのは、事実だ。しかしそれは、自分の寝顔を堂上に見られては困るから自発的に眠らなかったのであって、柴崎が期待しているような理由ではなかった。 冷やかした内容が当たっているとすれば、バカ正直な郁は間髪入れずに真っ赤になって噛み付いてくるはずなのだが、そうしてこないところを見るとどうやらクマの正体は違うところにあるらしい。 「なんか凹んでなーい?なんかあったの?」 「……う、ん……」 こんなとき、決まって柴崎は郁が話し出すのを待つことにしている。 せっついて聞くことを憚っているわけではなく、単に郁の考えが纏まるのを待っているだけだ。 「……えと」 一度は開きかけた口が、再度閉じられる。 「……やっぱ、いい……」 いくら柴崎とはいえ、どんな顔して聞けばいいのだ。自分の寝顔がどんな風なのか、などと。 寝不足がたたっている今なら、速攻で寝ることが出来る。その寝顔を見ててくれないかなどと、どの口が言えるのだ。 相談することを諦めた郁は、デートの為に多少お洒落した格好のまま、ベッドに潜り込んでしまった。 悩んでいる割にはすぐに寝息を立て始めたところを見ると、本当に寝不足だったことが判る。 「まーた余計な悩み背負い込んできたようねー」 郁がその乙女モード全開が故に抱え込んだ悩みは、これまで枚挙に暇が無い。しかもそれらは大抵、他人から見ればノロケにしか聴こえないような悩みだったりする。 今回も恐らくそんなところだろう。しかし、郁から悩みの内容を聞かない限りは、相談に乗ってやることも出来ない。 「早く白状しないと、麻子さんも助言できませんよ」 眠る郁の顔を見ながら、柴崎は小さく呟いた。 「外泊届、今日も無駄になったみたいだね」 同僚の言葉は相変わらずからかい口調ではあるが、少しずつ哀れみが混じってきているのは気のせいだろうか。 「……まったく、何を考えているんだ、アイツは」 いつもならば堂上の部屋に小牧がお邪魔をするという図式なのだが、今晩は堂上が酒を片手に小牧の部屋に愚痴をこぼしに来ていた。 堂上が預かり知らぬ所で郁が悩みを抱えた日から、3ヶ月は経とうとしている。その間、デートはしているのだが、外泊は一切なかった。 今日はダメな日なんです。 体調が思わしくなくて。 外泊届け、出してきてないんです、柴崎に頼むのもちょっと恥ずかしいっていうか。 いろんな言い訳をされては、はぐらかされてきた。 最初のうちは仕方ないと思ってはいたし、ノリ気じゃない郁を抱くことも憚った。だから、我慢してきた。 だが、それが3ヶ月ともなろうものなら、堂上としてもいい加減イラつくのも尤もな話だ。 「また何かやらかしたかな、俺」 小さな溜息とともに吐き出される弱音は、堂上が滅多に見せないものだ。 郁がどうして堂上を遠ざけているのかは分からないが、コイツにこんな表情をさせるのはきっと郁だけなんだろう、と小牧は密かに思った。 「笠原さんみたいな恋愛初心者には、いろんなハードルがあるんだろうね」 フォローのつもりで言ったが、小牧の言葉に堂上はうな垂れてこう呟く。 「おかしな要求などしていないはずなんだがな」 実際、郁に対して何か特別なことを望んだわけではないが、もうこうなってはその理由を郁の口から聞くことも難しいだろう。 「デートはしてるわけだから、堂上のことを嫌っているわけじゃあないんだよね」 「そう思いたいが」 苦く笑いながらビールの缶を呷って一気に飲み干し、そのアルミ缶を片手で握り潰す。 その缶はまるで、堂上の胸が潰れていることを代弁しているように見えた。 今日もお泊り断っちゃったな。 寮のベッドに潜り込んで、郁は少なからず反省してみる。 断りの言葉を言ったあとの堂上の落胆した表情は、今は一番見たくないものになっていた。 あの堂上の顔を見るくらいなら、仕事でドジ踏んでこってり叱られるほうが何十倍も楽だ。 でも、教官、ダメなんです。あたし、まだ断るしかないんです―――。 あれから、自分なりに何か方法は無いものかとインターネットを駆使したり、休憩中に図書館の本をレファレンスしてみたりしたが、「寝顔を可愛くする方法」などという情報は得られなかった。 ―――やっぱり無理なのかな……。 なかなか答えの見つからない問題に頭を捻らせているうち、ふと柴崎のことが気になった。隣のベッドで寝ている柴崎は、果たしてどんな寝顔なんだろか。 郁は音を立てないように気遣いながら、柴崎のベッドに近づいていきそっと覗いてみてみる。 ――て、天使が居るよ……! 柴崎の寝顔は、堂上に勝るとも劣らないものだった。 堂上の寝顔が「可愛い」と評されるなら、柴崎のそれはまさに「美しい」の一言だ。 「ちょっと!し、柴崎っ!」 郁は反射的に寝ている柴崎を、その大きな声でたたき起こしてしまっていた。 ここに最強の手本が居ると思ったら、居ても立っても居られなかったのだ。 その数週間後、寝ようと支度をしている郁の携帯にメールが着信した。音だけで分かる、堂上からだ。 『明後日の公休、外に出る。外泊届は忘れずに出しておくように。 堂上』 明後日のデートは以前から約束していたものだったので今更驚きはしないが、外泊届を念を押されるとは思っても見なかった。 また断って、堂上のあの表情を見るのは苦痛だったが、こればかりは仕方が無かった。 頼みの綱の柴崎ですら、お手上げな悩みだったのだから。 あの日、眠る柴崎を叩き起こして悩みを打ち明けたものの、けんもほろろに突っぱねられた。 「寝顔を可愛くするぅ!?……アンタそんなこと悩んでたの?!……なんつーバカな悩み……」 「だって、堂上教官の寝顔、めちゃくちゃ可愛いかったんだよ!あたし、自分で言うのもなんだけど、絶対寝顔可愛くない自信あるし」 「そんなトコに自信持たなくてもいい!」 「とにかく、なんかいい方法ないの?」 「あるわけ無いでしょ!……ったく人がいい気分で寝てたのに……」 柴崎はこれ以上付き合っていられないと、再び布団に入ってしまった。 そして結局なんの策も得られないまま、デートの当日を迎えた。 当日の待ち合わせはいつもよりも遅い時間だった。 日が傾きかけるその時間に電車を乗り継ぐと、都心まで足を伸ばした。堂上が郁の手をつないで歩を進めた先には、最近オープンしたばかりの6ッ星ホテルがあった。 迷うことなくロビーに足を踏み入れる堂上に、手をつながれたままの郁は付いて行くしかない。 え、ちょっと、それは。 うろたえる郁をロビーに残して、堂上はチェックインに向う。 どうしよう、こんなホテルに連れて来られるなんて予想してないし。 カードキーをジャケットにしまいながら戻ってくる堂上に、郁は断る為に口を開こうとした。が、 「今日はお前のダメな日じゃない。体調も良さそうだ。外泊届はちゃんと出してきたろうな?まあ、出して無くても小牧に電話すれば済むことだ」 先制攻撃は堂上からだった。いつも使用していた言い訳は通用しない。 「いや、あの」 それでも食い下がろうとする郁の手を、堂上が包んだ。 「先に飯にしよう。ここのイタリアンは絶品らしいぞ」 郁に口を挟ませる余裕を与えずに、堂上はレストランへと向った。
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堂上 どうしてお前は俺の捨てたものを 後生大事に拾ってくる・・ お前が無茶をする度に 助けずにはいられなくなる 「おぉい。堂上夫!堂上妻が落ちたぞぉ!!」 威勢の良いかけ声は 無論玄田隊長である。 堂上は顔をしかめて 個室の隅で寝息を立てている郁に歩み寄った。 手塚はビールを煽りながら その様子をジッと見ている。 「いやぁ相当酔ってるなぁ・・郁。 コレで帰るのはきついぞ・・」 顔をピンクに染めてすぅすぅ寝ている 郁を呆れたように眺めた。 「手塚。水持ってきてくれ。」 柴崎いわく「堂上大好きっ子」らしい 手塚に水を頼んだ堂上は 郁をお姫様だっこし ふすまを開けた。 「どこへいかれますか? 水を届けに・・」 「あぁ。二階を借りる。 夜風が丁度いいからな。」 何度も郁を連れて行ってるので 手塚も分かったようにうなずいた。 「あ・・つしさん・・」 さすがに虚を突かれた。 飲みすぎか・・? 「なんだ」 一応返事はとっておく。 「今すごく・・・幸せ・・」 いったい何が・・・ 呆れたように堂上は返す。 「何がだ?」 「篤さんといるだけで幸せ・」 この後の言葉は更に虚をついた。 「子供・・・・・欲しいなぁ」 は? ヤバイ・・ お前は蓋をなぜあけたがる。 なぜ封じ込めるビンの中身を知りたがる・・・ ドサッ・・ 郁を簡易ベットに押し込む。 危ない・・・ 本当にヤバイぞ。今のは・・ 「そんな事言って こうかいするなよ。」 堂上はなるべく郁を見ないように言った。 「しません。後悔なんて。」 堂上には聞こえない声で郁は言った。 記憶も次の日にはいくの頭には無かった。
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1スレ目 287-288 「あっそこ…です」 「ここか?」 「ふぁ…ん!そこです、もっと強く…!」 「もっとか、よっぽどだなお前」 グリ 「ひぁっそれです!すごく気持ちいいです…!」 「次はお前だからな」 「はい、あ…!…でも教官みたいに巧く出来るか分かんないです…ん、はぁああ…」 「この体勢はやりにくいから、乗るぞ」 「はい、来てください…」 グリグリ 「あん!…っ…教官…最高です…」 「こういう時だけ調子がいいなお前は」 そういう堂上はやけに嬉しそうな口調で、小牧達はその様子を半眼で眺め続けていた。 「柴崎ー、堂上教官すごいよ!絶対マッサージ資格とれるよ!」 「…あぁ、そう」 「自分の疲労位自分で解消出来んでどうするんだ。お前も自分なりの疲労解消法を見つけろ!」 「これです、堂上教官のマッサージがこれからの私の疲労解消法です!」 「貴様上官を何だと思っとるんだ!!」 …壮絶な口喧嘩の最中も、堂上の指は止まる事無く、這うように郁の背中を押し続けている。 「なんかねぇ」 「なんだかなぁ…」 最初は意地の悪いメンバーで二人を煽って衆人環視で始まった、いつもの下らない嫌がらせである。 この子疲れが取れないらしいんですよ何かいい解消法はないですかねー? ほらそこは上官として体調管理のアドバイスを……… え?マッサージ?あら。じゃあ… 堂上、上官として笠原さんに教えてやりなよー。 なんてひたすらノリだけで2人を追い立てて始まった、マッサージ。 「あ…」 またしても色っぽい喘ぎ声が聞こえ出した。 堂上はとうとう無意識の内に口の端が上がり出している。 「……まるで何かを見せられてるみたいなんだけど」 「……もう、帰りましょうか」 二人は踵を返し部屋を後にする。 それに堂上達が気付いた様子はない。 「とりあえず皆に知らせてやろうよ」 「そうですね、私達を追い出した罰ですね」 なんの脚色もなく玄田や手塚に話してやろう。 『堂上教官が笠原を喘がせていた』。 何一つ嘘はない筈だ。 これで負けたような気分も失せるに違いないと、二人はにやにやとそれぞれの職務に戻った。
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2スレ目 303 郁に学生時代の友人から結婚式の招待状が届いたのが数か月前のこと。仕事が仕事なので行けるかどうか分からず返事を迷っていた背中を押してくれたのは他ならぬ堂上だった。 行きたいんだろ? 郁の心の内をあっさりと読み取ってくれた。友人に連絡を入れ、ぎりぎりまで返事を待たせてもらい、行けることになった。 礼を述べると、堂上はその代わりに帰る間際に連絡するように言ってきた。その日、堂上班のローテーションは訓練なので何事も起きなければ定時で上がれるはずだ。 明日も仕事だからと二次会で郁は仲間と別れ、新宿駅で堂上にメールを入れた。返事は速攻で戻ってきて、武蔵境まで迎えに来てくれるらしい。 心配症だなぁと郁は思いつつも恋人扱いしてくれることに思わず表情が緩んでしまった。 「教官、迎えに来てくれて有り難うございます」 改札口には既に堂上が待っていてくれた。足早に駆け寄ると、何故かワンテンポ遅れて堂上は相槌をうってきた。 「どうかしましたか?」 「いや、随分めかしこんでいるなと思って」 顎でしゃくる様に郁の髪を指摘してきた堂上に、郁は納得した。今日の郁は自分でも頑張ったと思うぐらいに変身しているからだ。 「これ大変だったですよー。柴崎がしてくれたんですけど、当分は髪の毛いじりたくなくなりましたもん」 前髪を軽く摘まみ、郁は苦笑した。 堂上とのデートの時でもアレンジすることはない郁の髪は、全体的にふんわりとカールを巻き、えり足の部分はピンで巻き込んである。しかも服装は黒のチュールプリーツの膝上ワンピースにコンビストールを羽織っているというオンナノコっぷりだ。 化粧一つで女は化けるというぐらいだから、今の郁の姿に堂上が戸惑うのも無理はない。そもそも郁自身だって自分には甘すぎる服だと思っているのだから。それを着ているのは今日のファッションコーディネーター兼鬼軍曹である柴崎の賜物だ。 いつものように手を繋ぎ、帰路に着く。一歩遅れて歩く郁は堂上の背中を見つつ、教官も可愛いって思ってくれてるといいな、なんて乙女回路フル稼働中だ。 でもいつもと何かが違うような気がするのは気のせいだろうか。何かが引っ掛かるのだが、幾ら考えても郁は思い当たらない。 気のせいかと思いつつ、もうすぐ基地が見えるだろう場所で、堂上の脚がぴたりと止まった。どうかしたのかと首を傾げると、繋いでいた手の指を絡ませてきた。それがキスの前触れであることは郁も分かっている。 嬉しくもやはり恥ずかしくて、いつも俯いてしまう。そして頬に手の平を置かれる。その時を待つように目を瞑ってみたものの── あれ? 今日に限ってそれがこない。もしかしなくても何かあたししちゃった?! 咄嗟に目を開けると、そこには苦虫を噛み潰した顔をした堂上がまっすぐ自分を見上げていた。 何かがヘンだと気づく前に、 「その高さだと、お前が屈まなきゃキスもできないんだよ! 早く気づけ、このバカ!!」 慌てて郁が腰を屈めると、いつものように唇が触れた。少しだけがさついた郁の好きな堂上の唇だ。ゆっくりと唇が離れると、 「……すまん。八当たりだ」 バツが悪そうに堂上が詫びてきた。 そこでようやく郁は違和感に気づいた。この服に合わせて、いつも履かないようなヒールの高いパンプスを履いたことをすっかり忘れていたのだ。違和感は目線の違いからくるものだったのだとようやく気付いた。 しかしそのことを堂上に詫びるのも違うような気がして、郁はぎゅっと堂上に抱きしめた。言葉にするよりも態度で示した方がいい、そう思ったから。 しかし郁の思いとは裏腹に、いつもより差があるせいで抱きしめると郁の胸元がちょうど堂上の顔の高さになり、堂上は生き地獄を味わう羽目に陥った。 結論→天然は恐ろしい
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1スレ目 280-281 目の前の光景は堂上の動揺を誘うには十分すぎるものだった。 郁と手塚の兄が交合してるなど──誰が信じるというのだ。 あの郁が自分以外の相手に身体を許すことなど有りえないのは堂上が誰よりも分かっている。 嘘だ、やめろ──そう叫ぶ声が何故か出ない。 ならばこんな光景を俺に見せないでくれ──だが、それも叶わない。 するり、と慧の細長い指が郁の首筋を撫でると、郁は拒むように声を上げた。 「ふぅん。感じやすいんだね、笠原さんは」 そう告げる慧の表情は酷く楽しげだった。 そのままゆっくりとシャツのボタンを外していくと、郁は素肌を見られた恥かしさから顔を逸らした。 だがそんなことはお構いなしに慧は行為を続けた。 そして胸元のとある場所に辿り着くと、とん、と軽く叩いた。 その瞬間、郁の身体はびくりと慄いた。 「堂上ニ正は案外独占欲が強いんだな。まあ……こんな反応されたら、仕方ないか」 うっすらと残る赤い跡は紛れもなく堂上との情事の跡だった。 慧はまるで宝探しをするかのように、跡を見つける度に意地悪く指摘し続ける。 「や、やめて──」 ついに耐え切れなくなったのか郁が涙目で懇願すると、慧はそれを待ち望んでいたように口元を緩ませ、郁に顔を近づけて何かを囁いた。 その瞬間、郁の表情が変わったのははっきり分かった。 何か弱みを握られていることは明らかだった。 自分の知らない間に、郁の身に一体何があったというのか。 そこまで知られては困ることを、どうして自分に相談してくれなかったのだろうか。 してくれれば──こんなことにはならなかった、いや、そうさせなかった。 「いいよね?」 そう慧が告げると、郁は静かに頷いた。 慧はまるで楽器を奏でるよう手付きで、郁の身体を触れ始めた。 椅子に座らせ、脚を大きく広げさせる。 しなやかな郁の脚は慧が触れるたびに、まるで弦楽器の弦のように震わせた。 覚悟したとはいえ、好きでもない男にショーツを脱がされ、秘部を見られことは、郁にとって受け入れがたいものだったのだろう、すすり泣き始めた。 「悪い子だね、笠原さんは。約束したのに」 それでも慧はやめようとはせず、更に愛撫を激しくさせた。 郁の感じる場所を探し出し、執拗に花芽を吸われると、郁の声は泣き声と共に甘さが交じり始めた。 「ちゃんと感じているよ、笠原さん」 「やっ、やだっ、そんなこと──言わないで──」 「堂上ニ正は教育熱心だね。君をこんな身体にさせてしまうなんて、余程だよ」 「きょ、教官の名前を言わないで下さいっ!」 「思い出してしまうのかい?ああ、そうなると、今、君が受け入れている相手が私だと嫌でも自覚してしまうのか」 的確に堂上への罪悪感を指摘され、郁は言葉を失った。 涙目のまま慧を睨みつけたが、慧は表情一つ変えず、 「そんな表情をされると、ますます君を困らせてみたくなるのに……困った子だね、本当に」 くつくつと慧は笑うと、とろとろに解れた郁の花弁に、いきり勃った自身を宛がった。 あっ、と郁は小さな悲鳴と共に、その身を大きく震わせた。 「やっ、あっ、ああ──っ、」 「理解したつもりだったんだけど……笠原さんの中は狭いね。このままじゃ、喰いちぎられてしまいそうだ」 耳元でそう囁く慧の声に郁はむずがる赤子のように首を横に振った。 脚を大きく広げさせられ、その膝に腕を回されてる格好の郁は逃げ出すこともできずに、更に深く慧を受け入れた。 「早く素直になった方が笠原さんも楽だよ。ほら、身体はこんなに正直なのに」 ずんと慧に突き上げられ、郁は思わず慧の肩に爪を立てた。 立て続けに責められると、郁は身体を縮こませ、 「ごめんなさい──教官、堂上教官っ、ごめんなさい──」 郁は一体何に謝っているのだろう。 慧に秘密を握られてしまったことにか、その慧と関係を持ってしまったことか── それとも、堂上以外の相手に身体を許し、その上、感じてしまっていることなのか──。 もういいだろう!やめてくれ──!!郁の辛い姿を見ることは、自分を痛めつけられているより苦しかった。 胸が締め付けられ、このままでいたら自分が壊れてしまいそうだった。 どうして今の自分は郁を助けられないのか。手を伸ばし、あの悪夢から郁を救ってやりたい。 この手はその為にあるものではなかったのか──。 次の瞬間、悪寒と共に目が覚めた。 静まり返った部屋を見渡し、あれが夢だったことに安堵した。 悪夢にしてもタチが悪すぎる内容に、堂上は肺が空っぽになるぐらい息を吐き、ふとコタツに置いてDVDのパッケージに目がいった。 そこには、モザイク入り乱れのキャプと共に、 女自衛官屈辱淫猥戦線~見せます!出します!飛ばします!~ などという文字がテカテカと輝いていた。 堅物堂上とて健全な成年男子であるし、性欲だって当然のように存在するし、この手のものに世話にだってなる。 そういえば久しぶりに何か借りて帰ろうと昨晩レンタルビデオ屋に寄った際、ふとした出来心この手のコーナーに入り、偶然見つけてしまったのだ。 表のパッケージに、かっちりと制服を着込んだ女優はあまりに郁に似ていて──気がつくと借りてしまっていた。 そういえば、あの夢はこれと似たような展開だったような……全てに合点がいき、堂上は二度とこの手で処理すまいと心に誓った。
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1スレ目 339-347 小牧と飲んだ、あれから2週間。 『特訓』は奇妙なモノを抱えたまま、続いていた。 「ん…っふ…」 逃げようとする唇を、堂上が追う。 左手が腰を抱き寄せ、右手がうなじを這った。 郁は目の前のシャツに縋るように、爪を立てた。 「きょう、かん……待…っ」 「待たない」 少し離れた唇の合間で、白い吐息が漏れる。 鍵をかけた書庫は肌寒く、触れ合う場所だけが熱を帯びていた。 (くそ…っ) 重ねた唇に翻弄されて、堂上は苛立っていた。 自分より背の高い少女の頭を捕まえて、深く口付ける。 ――なんで、こっちが追い詰められた気分にならにゃならんのだ! 心中で一人ごち、口内を更に蹂躙する。 立っていられないとばかりに、郁の膝が震えた。 「明日の公休に、…あの人に会いに行くんです」 はあっと濡れた吐息が漏れるのが聴こえ、ようやく離された唇から、そんな言葉が滑り出た。 ――なんだって?くらりと眩暈がして、堂上は突然現実に引き戻された。 「だから…、」 『特訓』は、もう――。 潤んだ瞳が戸惑いに揺れた。 言いよどんだ言葉の先が分かって、たまらず、堂上はまた郁の唇を攫った。 「ん…っ」 鍛え上げられた腕が郁を抱きしめ、抗うことを許さない。 ――こいつが。こいつが探してるのは、俺だ。俺だと、知っている。 だが、明日会いに行くと言っているその相手は、俺じゃない。 北海道にいると言っていたそいつは、俺では――ないのだ。 硬い指で、ざらり、と耳朶に触れる。 「行くな」 気づけば、低い声で囁いていた。 「キスもそれ以上も、俺以外のヤツになんか――教わるな」 何を言ってるんだ、俺は。 真っ白になった頭の中で、そんな声がした。 が、もう止まらない。 ぷつりと何かが切れて、指が勝手に、耳から首を伝って滑り落ちた。 隊服の隙間から覗いた鎖骨が目に入って、…堂上は思わずその白い肌をついばんだ。 「や…っ、教官…!?」 壁に押し付けた躯が跳ねる。 片足で郁の両膝を無理矢理割った。 汗ばんだ掌が、彼女のささやかな胸を這う。 厚い布の向こうから、柔らかな膨らみが伝わった。 「駄目か…?」 耳元に唇を寄せ、問う。 答えを聞く間も惜しくて、隊服のボタンを上から順に外した。 触れた場所が、熱い。 郁の瞳に、一瞬の逡巡が走ったのが見えた。 濡れた唇が扇情的で、堂上を強く煽る。 と、赤らんだ頬が近づいて。 「おしえてください――」 吐息まじりの声が、肩に吸い込まれた。 「いい子だ」 と思わずそう呟いて、堂上は笑みを漏らした。 中途半端に脱がした服の隙間から、ブラジャーをたくし上げる。 つん、と立ちあがった小粒が、ささやかながらにその存在を主張していた。 「ふ…ぅん…っ」 冷気にさらされて震える郁の躯を支えつつ、堂上はソレを舌で転がす。 焦らすように乳輪をたどると、ひときわ甘い声が、書庫に響いた。 「や…ぁ…!んん…」 恥ずかしいのだろう。 口元に手をやり、声を抑えようとする。 「駄目だ。聴かせろ」 細い手首を掴んで、引き剥がす。 そのまま腕を壁に縫いとめ、空いたもう片方の手で胸を弄んだ。 「―っあ…ゃ…!」 「感じやすいな」 決して大きいとは言えないが、やたら感度がいい。 厭々をするように、郁が首を振った。 眦から、ぽろぽろと涙が零れる。 ほんの少し芽生えた罪悪感は、しかし、強い加虐心の前では無意味だった。 丁寧に丁寧に、そして確実に。 堂上は郁を追い込んでいった。 「きょうか…っ」 熟れた実を甘噛みすれば、首をのけぞらせる。 摘んで、弄って、押しつぶすと、抱いている躯がどんどん熱くなって、――興奮する。 どんなに鍛えていても、郁はやはり女で。 隊服に隠されていたその柔らかさは、今や堂上の手の中だった。 クソ、なんでこんなにかわいいんだ。 「もっと声、出せ」 聴きたい、と続けて、堂上の手が下方に向かった。 郁のズボンを器用に脱がせ、半分ほど下ろし、内腿に触れる。 ひんやりとした感触を楽しむように、何度も何度も。 「や…ぁっそん、な…」 無理です、と郁が首を振る。 堂上の顔が上がって、舌と舌を絡められた。 郁の躯はもう限界で、抵抗する力も残っていない。 堂上のされるがままだ。 それをいいことに、無骨な指がとうとう秘所を探り当て、撫で上げた。 「あ…っ!」 薄布の上からの感触が、かえってざわざわと感じさせる。 もどかしそうに、郁が身震いした。 きっと、本人も気づいていないだろう。 濡れそぼったそこを、堂上の指に絡みつかせるように、腰が揺れていた。 「教官、きょう、かん…」 無意識に、声が繰り返す。 華奢な両腕が、ぎゅ、と、堂上の首に回された。 探るような中指はショーツから入り込み、蜜壷に浅く埋め込まれる。 びくん、としなやかな肢体が震えた。 逸る気持ちを抑えつつ、堂上は慎重に指を動かした。 次から次へと溢れる生温いモノで、滑りが良くなっていく。 「――郁」 ふと、声が零れた。 その呼び方は、ただの部下には似つかわしくない。 そんな考えが一瞬頭を過ぎったが、かまわず堂上はもう一度「郁、」と呼んだ。 「教官…?…っぁ!」 驚いたように瞠られた目から、視線を逸らす。 動揺を悟られるまいと、指を深く突き入れて掻き混ぜた。 芽吹き始めた花芯を親指で弄くり、卑らしい水音をわざと立てた。 「ゃ、も…――っ!」 これまでよりワントーン高い声が上がって、がくがくと、郁の腰が砕けた。 軽く絶頂ってしまったのだろう。 背中がずるりと壁を滑って落ちる。 へたり込みそうになった躯を、寸でのところで抱き止めた。 腕の下から手を差し込み、肩を支えて、ゆっくりと床に腰を下ろさせる。 はぁ…と、切ない息が耳元にかかった。 力の抜けた指先が、それでも堂上の首に縋ったので、抱きしめた。 火照った躯に欲望が抑えられず、 「まだだ」 呟いて、堂上は次の行動を起こした。 「え――ぁ…っ!」 とっくに一番下まで落ちて、足元で引っかかっていたズボンを、片足から抜き取る。 続いて白いショーツも、無理矢理剥ぎ取った。 腕が腿の内側にかけられて、郁の左膝は、軽々と堂上の右肩に担ぎ上げられた。 「や、だめ…っ」 あられもない格好に、抗議の声が上がった。 それを完全に無視して、堂上は溢れる泉に唇を寄せた。 床に投げ出されたもう片方の足元で、残された衣服が揺れた。 「こんなに濡れてる」 「ぁ、―あ…!」 言わないで、と小さな声が呟く。 はだけた胸元に手を伸ばして弄ると、郁が甲高く啼いた。 くしゃりと、細い指が頭を掴んできたのが分かった。 「や、怖い――」 どうにかなりそうな躯を扱いきれぬ様子で、郁が声を震わせた。 見上げると、縋りつくような瞳が濡れて、瞬きをした。 慣れぬ快楽に身をよじる郁に、どくん、と心臓が鳴るのを、堂上は自覚した。 「大丈夫だ」 ちゃんと、俺が教えてやる。 精一杯優しく言って、ひたひたに濡れ蠢く襞のナカに舌を差し込んだ。 丹念に掻き出すように、味わう。 それだけでは満足できず、指を再び捻じ込む。 きゅうっと締め付けてくる感触が伝わって、堂上は思わずほくそ笑んでいた。 「は…ふ…――ぅぅんっ!」 指をくの字に曲げて、ナカを引っ掻く。 膨らんだ新芽を、舌で転がして押しつぶす。 期待通りの声を上げる郁を、堪らなくいとおしく感じた。 何度も何度も、抜き差しを繰り返してその姿を愛でる。 ひくひくと充血して、床に水溜りを作ったその場所があまりに淫靡で、夢中で貪った。 と、指がある一点を掠めた時、郁の躯が強張った。 「…あ!?ゃ…っ、それ、だめ――!」 背中がのけぞって、矯正が上がる。 確かめるようにもう一度なぞると、明らかな反応が返ってきた。 ふるふると、強く首を振る姿がかわいい。 「逃げるな」 わざと命令口調の声を出す。 これまでの『特訓』の成果で、郁がそうされることに弱いことを堂上は知っていた。 案の定、躯を竦ませたのが触れた場所から伝わった。 「ん、ぁ、あ…っあぁ…」 おとなしくなった躯をいいことに、見つけたその場所を繰り返し責め立てる。 時折思い出したように乳首を摘むと、眉根を寄せて、びくびくと震えた。 指を2本、3本と増やして、犯す。 郁が感じるところを知った堂上は、その全てを、熱っぽく弄くった。 追い立てられた郁は、 「あ…!ゃ…っ!?あ―――――――――――!」 声にならない叫びを上げて、果てた。 暗い書庫内に、落ち着かない呼吸が響く。 少し虐めすぎたか、と反省しつつ、堂上は 「大丈夫か?」 と声をかけた。 「は、い…」 とろん、とした瞳が頷く。 はだけた上着の下から覗く白い足が艶かしくて、堂上は眉をしかめた。 そんなカオするな――アホウ。 そのまままた襲いたくなる気持ちをめいいっぱい抑えて、郁に口付ける。 なにせ、自分は『まだ』なのだ。 はちきれそうな分身の、その熱を感じつつ、苦笑する。 けれど残念ながら、今、続きをするわけにはいかない。 ――ゴムの手持ちなんぞ、ないのだから。 「今日はここまで、だ」 「教…官?」 「明日、」 長いキスの後、郁の首筋に顔を寄せ、堂上が呟いた。 一瞬、迷ったように言葉が止まる。 が、観念したように、ぐしゃ、と頭を掻いて続けた。 「明日、また俺のとこに来い」 続きを教えてやる。 言い馴れない言葉に赤くなりつつ、郁を抱きしめる。だから。 「俺以外のヤツに会いになんか、行くな」 てか、もともと俺がお前の探し人なんだが。 と、心中で正しく矛盾を認識しつつ、もう一度堂上は、郁の耳元に囁いた。 郁は大きな瞳を瞬かせると、はい、と嬉しげに頷いた。 ――ほんとはずっと、教官にそう言って欲しかったんです。 恥らうようなそんな言葉が、肩越しにおまけされる。 嵌められたのは俺か。 ああクソ、と無邪気に笑う5つ年下の女に、舌打ちする。 しかも、いつ正体を明かしていいもんだか――。 むしろ気づくまでずっと黙ってるか? 軽い溜息を吐き、堂上は 「アホウ」 と、郁の頭を優しく掻き混ぜた。
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1スレ目 416-419,424-429,433-440 その3 廊下を歩きながら堂上がジャケットのポケットから出したカードキーを確認した。 一歩一歩進むたびに鼓動が倍増していくのがわかる。 「ここか」 堂上はドアを開くと少し遅れてついてきた郁を招く。 ドアの脇のポケットにカードキーを差し込むと、部屋の明かりが点った。 当麻の警護の時に泊まったエグゼクティブと同等、いやそれ以上の広さだった。 入ってすぐ左手にはバスルーム。 シャワーブースが独立して設置されているためここだけでも相当広い。 奥へ進んで堂上に聞こえそうなほどに息を飲んだ。 ダ、ダブルベッドだ…! これ以上ないほどにベッドを意識しながら、部屋のあちこちを見聞して回る。 「連れてこられた犬みたいだぞ」 堂上が自分と郁のコートをクローゼットにしまってネクタイをゆるめながら、声をかけた。 「犬って、臭いまでかいでません!」 「言葉のあやだろうが」 つかつかと進んできた堂上は窓のカーテンを開いた。 「わぁ…」 ため息が漏れた。 さっきのスカイラウンジとはちょうど逆向きの部屋らしく、また格別の夜景が郁の目の前に広がっていた。 しばらく見とれていると、不意に堂上の手が肩にかかった。 「!!」 そのまま、堂上がささやく。 「本当に、いいんだな」 「何度も聞かなくても…いいのに」 郁はくるりと堂上に向き合い、そっと腕を堂上にからめた。 とたんに、強く抱きしめられ、深く口付けられた。 最初の頃はするたびに腰が引けていた大人のキスだったが、最近は郁も少し慣れてきている。 堂上の熱さに応えるように舌をからませた。 普段以上に激しいキスに酔った郁はガクガクと脱力する。 その瞬間にすかさず堂上は郁を軽々と抱きかかえた。 お、お姫様だっこだぁ…。 170センチ超級戦闘職種には一生縁がないと思っていた。 まさに王子様、だよね。 この状況をなぜか俯瞰する冷静な自分がいて、思わずククッと笑いが喉にこみあげた。 「?」 不思議そうに見つめた堂上の視線をかわすように、郁は両腕で堂上の頭を抱き、頬に顔をすりよせた。 「やっぱり、王子様だった」 そうささやくと、堂上は郁を抱えたままズカズカとベッドに向かいドサッと落とした。 「きゃっ」 何も投げるみたいに落とさなくても、ほんの少し恨みをこめて見つめると、いきなりのしかかられた。 「お前が、脱力すること言うからだ」 「でも…」 反論はキスで封じられた。 息苦しくなって顔を少しそらすと、堂上が片手で郁の頭をなぜながら、空いた手を胸元に伸ばした。 ささやかなふくらみをワンピースの生地越しに柔らかくさすられた。 「…ん、ふぅ」 自分の声とは思えない、甘い響きに体がビクリと震えた。 堂上が一瞬手を止め、郁のチョーカーをそっとはずすと、無造作に枕元に放り投げた。 そして、手を郁の背中にまわしワンピースのファスナーをゆっくりとおろしていった。 サテン地のワンピースがサラリと肩からすべりおちる。 そのままスルスルとワンピースが取り払われてベッドサイドに落とされた。 「堂上教官」 「ん?」 「電気…暗くしてもらっていいですか?」 堂上は無言でスイッチをあれこれいじって、なんとか部屋を暗くする。 ただし、ライトは一つ残して。 「真っ暗なのも、ちょっとな」 堂上の視線が、キャミソールでは到底隠し切れずに投げ出された郁の脚に向けられた。 「やだっ」 慌ててシーツを引っ張ろうとする手を止められた。 「綺麗なんだから隠すな」 超ド級の爆弾の直撃を受けて、全く反撃もできず郁はコクンとうなずいた。 「いい子だ」 そう言って堂上は郁の首筋に顔をうずめた。 キャミソールがたくしあげられる。 『どれにするかは、あんたが決めなさいよ』 あの日、下着を買いに店まで引っ張っていきながら、柴崎は郁を店内に押し込むと後は知らん顔だった。 『最初に見るのがあたしじゃ面目ないでしょうが』 その時はこだわる柴崎に首をかしげたが、せっかくの新しい、しかも今まで買い揃えたこともなかった女らしい下着を最初に見せるのが堂上であることがこんなに大事なことだったと今まさに実感できた。 堂上の舌が首筋を這う。 同時に胸を刺激されて、息遣いがさらに激しくなった。 空いた手がブラのホックをそっとはずすと、キャミソールごと下着もはがされた。 恥ずかしさに、胸を隠そうとした手は絡め取られて頭の上で押さえられた。 「隠すなと言ったはずだ」 「だって、胸、小さいから…」 「俺は、これがいいんだ」 あらわになった胸がやわやわと揉まれた。 さらに少しとがってきた蕾が口に含まれて舌でころころと転がされた。 「はぁ、ん…」 初めての刺激と快感で、もはやまともな言葉が口から出てこなかった。 や、なんか、変だ。 快感が体中をめぐって、今まで感じたことが無い感覚が郁の下半身をしびれるように流れた。 脚をモゾモゾさせると、堂上の右手がショーツ越しにしびれている場所を正確になでた。 「はぁ…んっ」 一瞬もどかしげに動いた手がするすると郁のショーツをぬがしていった。 そして無骨な指が優しく体の中心を撫で上げた。 「やぁっ・・・」 怖いのか、気持ちいいのか、くすぐったいのか、もうわからなくなって、自由になった手で思わず堂上を押しのけようとした。 が、これまでの刺激ですっかり脱力した郁の力では堂上を動かすことなど出来なかった。 しばらく入り口付近で円を書くようにさまよっていた指がためらいがちに中に進んできた。 と思ったら一気に進入した。 「んく」 中をかき回されて、さらに、空いた指が一番敏感な突起を探り当ててこねまわしてきた。 「やぁ、い…あ」 内と外、両方からの刺激についに、頭の中が真っ白になり、郁の体が大きくビクビク跳ねた。 「はぁっ、はぁっ…」 うつろに開いた目からあふれた涙が汗と混じって頬をすべっていった。 堂上は優しくそれをぬぐって、ついばむようなキスをした。 「大丈夫か?」 「は・・・い」 「続き、やってもいいな?」 返事の変わりに郁は堂上のシャツをぎゅっと握った。 堂上は極上の笑みをうかべて、ポンと頭に手を乗せると、自分の衣服を脱ぎさった。 手早く避妊具をつけると、まだまどろんでいる郁の上にのしかかってきた。 「すまん、痛くしないとは言えない」 「頑張ります」 投げ出された郁の手を堂上が握りしめた。 そして魂を吸い込まれそうな深いキス。 堂上が郁の入り口にあてがった自身を一気に侵入させた。 「うぁっ、いっ・・」 「痛い」だけで表現できるもんじゃない。 メリメリと中を引き裂かれているようでもあり、何かにギリギリとねじ切られていくような・・・もうとにかく、早くなんとかしてもらいたくなった。 「郁、体の力を抜け」 痛さをこらえる余り呼吸困難になりそうな郁の体を、どうにかほぐそうと堂上は髪を撫で、首筋にキスをし、そっと抱きしめた。 だが、郁の体の強ばりは取れない。 「どうする、お前が辛かったらここまでにするか」 本気で心配する表情で問うた堂上に郁はブンブンかぶりを振った。 「いや、です。続けて・・・」 すがるように懇願すると、堂上は無言でうなずいて続行した。 「いっ、ああっ」 逃げようとする郁の体を強引に押さえつけて、堂上が侵入してくる。 ようやく堂上が全てを収めた頃には、二人ともゼイゼイと肩で息をしていた。 「よく頑張ったな」 堂上は涙と汗でぐちゃぐちゃになった目元を優しくぬぐってくれた。 「嬉しい・・・」 やっと力が抜けて郁は堂上の肩に乗せていた手をドサッと落とした。 「!ごめんなさい」 夢中で爪を立てていたため、堂上の肩にはうっすらと血がにじんでいた。 「こんなの唾でもつけとけば治る」 「じゃあ」 郁は両腕を伸ばすと、堂上を抱き寄せ自分がつけた爪あとに舌を這わせた。 「お、おいっ!」 慌てる堂上をしっかり抱きかかえて、郁は無言で堂上の肩から首筋までなめつづけた。 途端に堂上がブルッと震えた。 「郁、悪いがもうちょっと、我慢してくれ」 何が?と問うよりも先に堂上が激しく動いた。 「はぁっ、やっ」 熱い塊が自分の中をかき回す痛みとしびれに、脳内でチリチリ音がしているような気がした。 そして堂上が頂点の高ぶりを向かえた瞬間、堂上の思いも熱さも全てを受け止めて、郁は意識を失った。 しまった、初めてだったのに、やり過ぎた。 まさか気絶されるとは思ってもなく、もっと時間をかけるべきだったと堂上は激しく後悔した。 だが、さっきは痛みに耐えて苦悶の表情をしていた郁は、今はむしろ幸せそうな穏やかな顔をしている。 「こっちこそ、ありがとな」 郁を力一杯抱きしめてから堂上は後始末に取りかかった。 ん、重い・・・。 ゆっくり目を開くと、薄暗いライトにぼんやり部屋の天井が見えた。 なんか身体中が、痛い。 それに、まだ中に何かあるみたい。 じわじわと意識がはっきりしてきて、郁は自分がいつの間にかバスローブを着ていることに気付いた。 それから自分を抱きしめるように腕を回して眠る堂上にも気付いた。 これって、嬉しいけど、ちょっと重い。 堂上を起こさないようそっと自分の上に乗った腕をどけようとして、郁は手を止めた。 「傷跡?」 堂上の左肩から少し下がった位置に、明らかに銃創と分かる傷跡があった。 『堂上ニ正は同期の中でも一番被弾回数が多いそうだ』 当麻の事件の直後に手塚から聞かされた話を思い出した。 『お前と変わらないぐらい無鉄砲だって小牧ニ正が…』 今の堂上からは想像しがたいが、郁はその無鉄砲な堂上の背中を7年も前から知っている。 身体中にこんな傷跡を残す堂上だったからこそ、あの時本屋で郁を救ってくれたのだ。 そう思うと、傷跡も含めて堂上の全てが愛おしくなった。 今日まではその背中を追いかけ、ただひたすら憧れ続けるだけだった堂上のポジションが変わった瞬間だった。 この人を守りたい。 今まで守ってもらったお返しではなくて、心から愛おしい存在だから守りたい。 郁はスゥスゥ寝息をたてる堂上の頭を、雛を包む親鳥のように胸に抱きかかえ、そのまま眠りについた。 翌朝、立場が完全逆の状態になって目覚めた堂上の慌てようは、ずっと郁のとっておきの瞬間になった。 <完>